土の洞窟

三方向道路に面した台形の変形地に
強い生命力を感じる土の塊の誕生です。

クライアントさんのご要望は
”素材にこだわった、どこか和を感じる住まい”

特注の天然木の玄関ドアを開けると、
まるで洞窟に迷い混んだかのような異空間が迎えてくれます。

外部から連続する土壁、大谷石を敷き詰めた床、
なぐり加工を施したウォールナット無垢床のコントラストが、
それぞれの素材の旨味を引き立たせます。

二階に配されたLDKは、敷地の形状そのままにハの字に広がり、
空間に奥行き感を与える工夫を散りばめて。

床はクライアントさん拘りのウォールナット無垢材のヘリンボーン貼。
ヘリンボーンとは、フローリングの組み方の名称で
”ニシンのホネ”って言う意味なんです。
洋服なんかにもたまに使われていますよね。

大工泣かせの逸品ですが、非常に腕のいい大工さんで、
ブツブツ文句言いつつ職人魂をみせていただきました。
ありがとうございました!

構造上必要な耐力壁も、壁面一体のオーダー家具収納で存在感を消しています。
収納力も抜群♪

真白な階段を登った3階のプライベートゾーンは、
一転してナチュラルで光が降り注ぐ明るい空間が広がります。
洞窟の中から地上に出てきたことを連想させ、下階との対比を生み出しています。

クライアントさんとも意見を出し合いながら、
ひとつひとつの素材を丁寧に吟味しながら造り上げられた”土の洞窟”。
街中で見かけたら、是非”一時停止”して、その生命力を感じていただければ幸いです。

DATA
東京都目黒区 / 専用住宅/木造3F/118.34㎡/夫婦+子供1+犬1