小田急線経堂駅から徒歩数分の立地に女性だけのシェアハウスの新築計画です。
収益案件では単純な利回りを考慮すれば、部屋数が多い方が良いのは言うまでもありません。
しかし、それではいずれ淘汰されてしまう、、。
限られた敷地面積の中で如何に他所との差別化を図れるのか?が強く求められたプロジェクトでした。
入ってドン!
まずは、玄関の概念を壊すところから。
『家に帰る』ではなく『カフェに入る』という発想で、玄関ドアを開けた時のビジュアルに拘りました。
玄関土間から直接アクセスできる造作キッチン。
ダイニング床は無垢オーク材のヘリンボーンで。
全長3.5mのダイナミックな天板はダイニングテーブルと一体化した作りで迫力満点!
キッチン背面壁にはサブウェイタイルを。
真鍮製のマリンランプとトグルスイッチがさりげなく味を出してます。
天板はベルギーから輸入した特殊塗料のモールテックスを採用。
モルタルのようなテクスチャーに加え、柔軟性と耐水性を兼ね備えている優れものなので、水周りに最適です。
スイッチは可愛らしい陶器製で乙女心をくすぐります。
壁面はオリーブカラーのアクセント塗装で。
共用部(カフェ空間)と専有部(各部屋)との境界は家形の三方枠でアクセントを。
ここからがあなたのお家ですよっという設計者からのささやかなメッセージでもあったりします。
階段は蹴込も踏板も手摺もOSB合板で統一。
OSB合板とは、木片を積層・圧縮した木質ボードのことで、ナチュラルで独特の表情をもつ素材です。
コンクリートなんかとも相性がいいですよ!
部屋は全部で9室。
それぞれの部屋にはアクセント塗装が施されて、そのカラーが部屋名になってます。
写真のお部屋は『ジュリオット』。
、、、、誰?
廊下に設けられた洗面ボウル。
大型ボウルに水栓がふたつ付いている変わり者だけど使い勝手が良いタイプを採用。
インテリアもトータルコーディネートさせて頂いた今回のプロジェクト。
住宅でもない、店舗でもない、、なんとなくその中間のような曖昧さをもった空間を目指し、細部まで素材と乙女心をくすぐる仕掛けに拘りました。
入居者が快適に暮らし、それによってクライアントさんに利益をもたらし続けるーそんな建築になってくれれば幸いです。
DATA
東京都世田谷区/シェアハウス/木造3F/199.77㎡