外に閉じ内に開く

ゆとりのある低層住宅が立ち並ぶ閑静な住宅地の一角にある計画地。

しかしながら、南側隣地には3階建てのマンションが、、、更にバルコニーが北側に配置され敷地が見下ろされるロケーション。

いかにしてプライバシーを確保しながら光と風を取り込むか?が課題のプロジェクトでした。

 

“外に閉じる”

クライアントさんのご要望もあって、外周部の窓は必要最低限に止め、アプローチには外壁と同材で仕上げた目隠し壁を立体的に配置し、閉鎖的なファサードに。

 

玄関へと誘う高さ2mの純白の壁。

安全性と経済性を考慮し、特殊なアルミパネルを下地に採用。

真鍮の表札とシンボルツリーが良いアクセントに!

玄関に入ると、これまた白で統一された空間に、ウォールナットの階段が軽やかにお出迎え。

“内に開く”

階段脇にはこの家のメインディッシュである中庭が♪

準防火地域の場合、窓の大きさに制限が出るのが一般的ですが、防火壁を立ち上げることにより、大開口を実現!

中庭の両サイドには居室を配置。

白い外壁からの反射光によって、ふわっと柔らかい間接光が入り込みます。

中庭中央に植えたヤマボウシが緩やかに視線をカットする役割も。

中庭に立って上を見上げると切り取られた綺麗な空が♪

窓に囲まれ、この家全体を見渡せるホットスポット。

マンションからの視線もまったく気になりません。

 

2階に配置したLDKは中庭を介して、リビングとダイニング・キッチンを緩やかに分離する配置に。

寛ぐ場所と食事をする場所のエリア分けをしつつ、視線はしっかり通る設計に。

リビングは勾配天井として、勾配ナリに光が伸びるように計算した間接照明を♪

 

キッチンから中庭とリビングを望む。

リビング奥にもバルコニーを設け、中庭と同じ高さまで外壁を立ち上げることで道路向いからの視線もカット。

カーテンいらずの空間に♪

ダイニング脇にはロフトはと繋がるストリップ階段を配置。

世田谷区は固定階段OKなので、スペースの問題でちょっと急な階段ですが、ハシゴより全然便利です。

空間のアクセントにも!

ロフトから降りる時ももちろん中庭を愛でながら♪

どこにいても家族の気配を感じることのできる空間構成です。

都内はどうしても近隣建物が切迫していることが多い中で、中庭はとても有効な設計手法であることは言うまでもありません。

今回はその中庭を最大限活かした空間構成と素材のセレクトで、より一層コンセプチャルな住まいとなりました。

紅葉も楽しめるヤマボウシと共に、この家がノビノビ育ってくれることに期待します。

DATA
東京都世田谷区/専用住宅/木造2F/101.02㎡/夫婦+子供1